連載 私のターニングポイント・第19回
障害のない社会へ向かう
後藤 颯人
1
1株式会社LITALICO LITALICOジュニア駒沢教室
pp.799
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202373
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私は現在,児童発達支援,放課後等デイサービス,保育所等訪問支援の事業所で施設長を務めています.まだ経験は浅いのですが,この分野,この仕事をするきっかけとなった3つのターニングポイントを振り返ってみようと思います.
まず1つ目は私が3歳のころまで遡ります.3つ年下の弟が生まれました.弟はプラダ・ウィリ症候群で,小さいころは鼻に管がつながれ,そこに母親が描いた絵が貼ってあったことを人生の一番古い記憶として微かに覚えています.そんな弟が近くにおり,さまざまな感情や場所を見て,経験しました.学校の勉強や一緒にやっていた野球なども「障害がなければもっと」と思うもどかしさ,一方で周りに「障害があるから仕方ない」と言われることに腹立たしい感情を幼いながら感じていました.また,弟の存在を通して,特別支援学校や就労継続支援事業などを知り,その選択や日々のなかで両親が悩む姿も記憶にあります.
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