連載 こもれび輝く日から始まった 私のこだわり看護管理[11]
明日に向かっているか
陣田 泰子
1
1聖マリアンナ医科大学病院看護部
pp.939
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100571
- 販売していません
- 文献概要
ゴールデンウィーク明け,フルオーダリングへのシステム交換が実施された。システムダウンが予測されたので看護部では「サポート隊」を結成した。これは昨年9月のシステムダウンの際,看護師長らのサポートが効を奏した結果から立ち上げたものだった。システムダウンが起こらなくてもシステム移行時の混乱は当然発生すると予測したからである。そのとき,看護部として組織に対しどのような貢献ができるのだろうかと考えた。それは,看護部の中心課題である「患者さんに害がないように」という視点での貢献である。
5月6日からの4日間,管理師長を中心に外来周辺でのサポート隊の支援を開始した。支援内容は「患者さんの苦情は私たちが引き受けます」。これは師長たちの明確な役割意識のなかで即座に決まった。自動精算機などの待ち時間が延長し,予想通り苦情は噴出した。師長たちはそのつど説明し,何度もお詫びをした。「今日は大変でした」。部屋に戻ってきた師長が言った。「でも,あんなに苦情を言って怒っていた患者さんが,帰りにわざわざ私を探して,『さっきはありがとう』って言って帰ったんです」。さらに医事課課長の「事務職員が3人いるより,ナースが1人いてくれるほうがどんなに心強いことか。本当にうれしかった」という言葉から,サポート隊はその役割を見事に果たしたと評価した。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.