Japanese
English
症例報告
短母指伸筋腱の滑走不全に対し運動療法が奏功したde Quervain病の1例
A case of de Quervain disease, where exercise therapy was effective in improving sliding failure of the extensor pollicis brevis tendon
山本 紘之
1
,
井坂 晴志
1
,
岡本 和之
1
,
浅野 昭裕
2
Hiroyuki YAMAMOTO
1
,
Hiroshi ISAKA
1
,
Kazuyuki OKAMOTO
1
,
Akihiro ASANO
2
1医療法人優進会いまむら整形外科リハビリテーション科
2中部学院大学看護リハビリテーション学部理学療法学科
キーワード:
de Quervain病
,
短母指伸筋腱
,
超音波画像
,
滑走不全
Keyword:
de Quervain病
,
短母指伸筋腱
,
超音波画像
,
滑走不全
pp.816-820
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202379
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要旨 de Quervain病の保存療法では,安静,母指の動きを制限する装具の処方,ステロイドの腱鞘内注射,消炎鎮痛薬の処方,筋の選択的ストレッチングが施行されるが,本症例はこれらの治療が著効しなかった.超音波画像による短母指伸筋腱の長軸動態で,母指の自動橈側外転に伴い腱がたわんで腱鞘および皮下組織が引き込まれ,同筋の他動伸張に伴いnavicular fat stripeが引き上げられる様子が観察されたことより,短母指伸筋腱と腱鞘との癒着が疼痛の原因であると考えた.運動療法により短母指伸筋腱の滑走性改善を図った結果,超音波画像上の滑走性改善に伴い疼痛も軽減した.de Quervain病の疼痛には,腱と腱鞘の癒着が一要因となる可能性が示唆された.
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