連載 内科疾患患者における理学療法介入に必要なアセスメント・Part 2
循環器疾患の理学療法介入に必要なフィジカルアセスメント
花田 智
1
,
岩切 弘直
2
Satoru HANADA
1
,
Hironao IWAKIRI
2
1都城市郡医師会病院総合リハビリテーション室
2都城市郡医師会病院循環器内科
pp.947-952
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202011
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
循環器疾患の概要
本邦における心疾患(高血圧性のものを除く)の患者総数は,およそ173万人と悪性新生物<腫瘍>に次いで多い1).疾患別では,急性心筋梗塞は男性では60〜69歳の準高齢者の世代が最多である一方,女性は80〜89歳であった.また,生存率は治療技術の進歩により飛躍的に増加し,Killip分類class Ⅳであっても52.5%の生存率を示している2).
次に,心不全では2020年に推定新規発症者数が年間35万人となり3),罹患者数は2030年には130万人に達すると推計されている4).年齢構成は,男女とも80〜90歳の高齢者世代が最多であり,New York Heart Association(NYHA)class Ⅳ群でも82.1%の患者は生存し退院できている2).さらに,現在は左室収縮(left ventricular ejection fraction:LVEF)が保たれ拡張障害を呈する心不全(heart failure with preserved ejection fraction;HFpEF)が増加してきている5).HFpEFを罹患する患者はより高齢で女性が多く,高血圧,心肥大,貧血,心房細動などを有していることが明らかになってきた6).
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.