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Key Questions
Q1.フィジカルアセスメントとは何か?
Q2.フィジカルアセスメントに必要な基礎的情報とは?
Q3.フィジカルアセスメントを裏づけるために必要な機器とは何か?
はじめに
「作業療法白書2010」1)による領域別会員数の推移をみると,OTは医療法関連施設を中心に従事している現状が確認できる.しかし,特別養護老人ホームや老人デイ・サービスセンター,有料老人ホームといった老人福祉法関連施設,介護老人保健施設や訪問看護ステーションといった高齢者医療確保法関連施設に所属する会員数は年々増加傾向であり,求められる役割や働く環境が多様化しているといえる.その中でかかわる対象者にどのようなリスクが潜んでいるか,日々の作業療法業務の中で評価し,把握していくことが求められている.
フィジカルアセスメントとは全身状態の評価を指し,全身状態を問診・視診・触診・打診・聴診のいわゆる五感を最大限活用し,客観的に評価を行うことを指している.病院・診療所内では医師の処方のもと,あらゆる検査データを参考にリスク管理が行われ,何か問題が生じても医師・看護師がすぐに対応できる,いわゆる守られた環境にある.
一方,医師が常勤で勤務していない特別養護老人ホーム等の施設や訪問リハでは,療法士個人に判断を求められる機会が増加する.疾患の基礎知識,心身状態,生活状況といった情報を把握し,リスクを最小限に抑えるための準備が求められる.
本稿では病院以外でリハサービス,作業療法を提供している場面,主に訪問リハを想定したフィジカルアセスメントについて重点的に述べたい.また,リスクを迅速に把握するために必要な基礎的情報とは何か,フィジカルアセスメントを行ううえで必要な機器を紹介していく.
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