書評
—上杉雅之(監修)—「PT入門 イラストでわかる理学療法概論」
大橋 ゆかり
1
1茨城県立医療大学
pp.931
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202004
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本書は「イラストでわかる」シリーズの1冊である.イラストが多用され,近年の理学療法学教科書のトレンドにもなっているわかりやすさを追求した体裁となっている.説明文も親しみやすい文体で読みやすい.しかし,理解してほしい内容がやさしいわけではない.それは,理学療法士が専門職であり,理学療法学が専門的学問分野であることを考えれば当然のことである.
本書は,総論,評価・介入方法で分類した各論,介入対象で分類した各論と「臨床実習」という章から構成されている.総論の部分は,「理学療法とは」という概論のなかの概論といった章から始まる.この章では,古代から現代までの理学療法の歩みが丁寧に整理されて語られる.私が現役理学療法士として経験してきた時代の理念の変化も含めて,あらためて理学療法の歴史を振り返ることができ,理学療法士であることの誇りを感じさせられる内容になっている.
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