書評
—上杉雅之(監修)/横山茂樹,甲斐義浩(編著)—「PT入門 イラストでわかる運動器障害理学療法」
加藤 茂幸
1
1広島国際大学
pp.557
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202307
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本書は「イラストでわかる」シリーズの運動器障害理学療法版です.「イラストでわかる」シリーズはこれまでに多くの種類が出版されていますが,本書は2021年に発刊されたばかりの新刊です.このシリーズの特徴の1つはイラストが多用されている点で,それは理学療法士養成校の学生にわかりやすく伝えるためです.さらに解説も読みやすくまとめるように工夫されています.
各章の構成は,概略に続いて,上肢(腱板断裂,肩関節脱臼,スポーツ肘関節障害,橈骨遠位端骨折),体幹(頸部脊椎症,腰椎椎間板ヘルニア,非特異的腰痛),下肢(変形性関節症,大腿骨頸部骨折/転子部骨折,膝前十字靱帯損傷,足関節外側靱帯損傷),関節リウマチ,末梢神経障害となっています.評価項目や検査方法を数多く掲載していることに加え,治療計画およびプログラムについてもイラストと写真が豊富に使用されており理解しやすくなっています.また,「先輩からのアドバイス」や「トピックス」などのコラムによって,臨床上のヒントや最新の情報を得られるように工夫されています.さらに各章の終わりには,理解度を確認するための穴埋め問題(確認してみよう!)が掲載され,国家試験の出題範囲を考慮した問題が選定されている点も新しいと感じます.運動器理学療法を勉強しようとする学生に役立つと思われます.
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