書評
—河本のぞみ(著)—「当事者に聞く 自立生活という暮らしのかたち」
川口 有美子
1
1NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会
pp.945
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202009
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本書は重度の障害を持ちながらも地域で暮らす人々の,自立に至るまでのプロセスを事細かに記した貴重な記録である.謎のベールに包まれている彼らの「自立生活」を膨大なインタビューと資料で立体化している.
マンションや一軒家を借りて,介護に通ってくる介助者と暮らす「自立生活」という暮らしのかたちは,障害当事者が年月をかけて,国や自治体に掛け合って作り上げてきたものだ.とはいえ,「自立生活」と呼ばれるからには,利用者の主体性が重要で,ヘルパーに任せて黙っていればいいというものではない.介護者探しも自分でやるが苦労の連続.「見守り」,「移動」など,最初のうちは勝手のわからないサービスもある.
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