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書評 —上杉雅之(監修)—「イラストでわかる人間発達学」
小塚 直樹
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1札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
pp.191
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200481
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ギリシャ神話に登場するスフィンクスは,「朝は四本足,昼は二本足,夕は三本足.この生き物は何か?」と旅人に問いかけたという.この有名な「なぞなぞの答え」は,人間である.人としての生活が始まる赤ちゃんの時期は背臥位から腹臥位へ,そしてやがて四つ這い(四本足)で移動しながら準備を整え起立から歩行(二本足),長い人生を歩み老人になると杖歩行(三本足)になる.人間発達学とはまさしくこのような人生の夜明けから夕暮れまでに人が歩んだ歴史と特性を概観する学問である.
今回この書評のお仕事をいただき,現在出版されている理学療法士・作業療法士養成校の学生向けに出版されている人間発達学に関連する4種類の教科書を読み比べてみた.いずれも朝昼夕の生涯にわたる記載はあるのだが,生後数年,つまり朝の部分のボリュームが多い.本書も朝の部分に重きを置いた教科書に分類される.
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