ひろば
緩和ケアにおける「こころ」とのかかわり
牛ノ濱 弥丘
1
1公立羽咋病院
pp.855
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201986
- 有料閲覧
- 文献概要
臨床で初めてがん患者の緩和ケアに関与したとき,死を意識しながら生きる人の「こころ」にいかにして寄り添えるのか? 支援できるのか? と考えたと同時に,寄り添いたい,支援したいとも感じた.簡単に「こころ」と表現しても,「こころ」の要素にはさまざまなものがある.身体的・精神的・社会的・霊的などのさまざまな痛みや苦悩を抱える対象者に対して,身体機能やADL能力だけを評価して介入しても「その人らしさ」を尊重しているとは言えないと感じている.これは緩和ケアの対象者だけではなく,全対象者についても同じであろう.
私は理学療法士を志したときから,「対象者を心身ともに元気にできる理学療法士になりたい」との目標があり,対象者とかかわる際には以下の点に心がけてきた.まず,第一に対象者は人生の大先輩であることが多いことから,敬意を抱いて接することである.たとえ,対象者が自分より若い方であっても,双方の立場に上下関係はなく対等である.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.