連載 はじめてのマネジメント学—できることから始めよう・Part 2
理学療法士のキャリアを積む—キャリア形成の実際
鯨岡 栄一郎
1
Eiichiro KUJIRAOKA
1
1株式会社メディケアソリューション
pp.217-220
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201812
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はじめに
昨今,この理学療法士領域においても,以前とは打って変わって新しい働き方を提示してくれるモデルは本当に多い.活躍のフィールドも大きく広がり,既存の考え方が当てはまらなくなっている1).一方で,選択肢があるということは,迷わせるものが多いのも事実だ.
日本理学療法士協会は,キャリアアップと質の担保のために認定や専門理学療法士取得の仕組みを設定しており,認定の取得者は全体の3.5%,専門の取得者は約2%ほどであるという.2019年の定時総会において,新たに,登録理学療法士の仕組みが発表されたばかりだ.大学院にて学位取得をめざすなど,高学歴化も進んでいる.
また,民間資格も数多あり,自己研鑽のために取得をめざす者は多い.しかし,決してそれ自体が自分のキャリアや収入を確約してくれるものではない.もちろん,専門職として研鑽を積み重ねるのは立派なことだが,一方で,それに邁進することが,あたかも自分が成長している感,がんばってる感を満たすだけにもつながりかねない.
地域においても自分の職場がある日突然吸収合併されたり,ライフステージの変化で転職を考えたりするなど,これからを考えたとき不安要素が多い.そのようななか,自分自身のキャリアをどのように考え,どの段階から準備していけばよいか,考えていこう.
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