連載 新人ナース覚書―入職前にこれだけは伝えておきたい・11
確かなキャリアを積むために
石川 雅彦
1
1国立保健医療科学院政策科学部
pp.242-244
発行日 2007年3月25日
Published Date 2007/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100639
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燃え尽きを避けよう
今,看護師の離職は大きな問題となっています。日本看護協会の調査によると,新人看護職員の離職率は9.3%で,この数は,看護師学校養成所の140校分にも相当するとの報告がなされています。3年間もの厳しい学習に耐え,就職試験や国家試験の難関を突破して手にした看護師の職を離れるには,それなりの理由があると考えます。
しかし,離職した人のなかでも,看護師そのものを辞めるのではなく,時間をおいて別の場所で勤務したり,別の面から看護に関わっている人もいるのではないでしょうか。また,9.3%の離職ということは,残りの90.7%の新人看護師は継続して仕事をしているということです。離職の理由としては,自分の技術不足の自覚,医療事故を起こさないか不安などが多いといわれていますが,自分のしたい看護が行われていない,他の分野への興味をもったため,という理由も挙げられていますので,必ずしもマイナスのイメージだけではないと考えられます。
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