特集 装具の臨床
地域における装具への理学療法士のかかわりの重要性
細矢 貴宏
1
,
阿部 紀之
1,2
Takahiro Hosoya
1
1袖ケ浦さつき台病院リハビリテーション部
2千葉大学大学院医学薬学府
キーワード:
生活期
,
装具難民
,
君津圏域包括的装具プロジェクト
Keyword:
生活期
,
装具難民
,
君津圏域包括的装具プロジェクト
pp.1181-1188
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201741
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,脳卒中後片麻痺による下肢装具使用者の生活期におけるフォローアップ体制の不十分さが指摘されている1〜3).適切なフォローアップのためには多職種・同職種間の連携が必要不可欠であり,装具難民4)を減らす,または生み出さないための取り組みが全国的に報告され始めている.勝谷らは4)装具難民とは「適切な装具療法が行われていない」,「装具処方時,患者に装具そのものの情報が伝わっていない」,「装具処方後定期的なフォローアップがなされていない」,「かかわるスタッフの知識不足」など下肢装具に関する治療・情報・システム・教育の問題であると述べている.これら生活期における装具難民を救うためにも,われわれ理学療法士は装具に関する正しい知識をもち,装具の適合・不適合を判断できるようになることや,装具に関する知識を他の医療・介護・福祉スタッフへ発信していくことが求められている.
本稿では,全国的な生活期下肢装具使用者の実態が明らかになっていないなか,千葉県君津二次医療圏における装具難民救済の取り組みと,装具メンテナンスの実際について症例を交えて紹介し,生活期における装具メンテナンスと理学療法士のかかわりについて考える.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.