特集2 これまでの10年とこれからの10年—理学療法の発展と課題と夢
病期別理学療法の歴史—生活期理学療法
野尻 晋一
1
Shinichi Nojiri
1
1介護老人保健施設清雅苑
キーワード:
理学療法
,
生活期
,
地域包括ケア
Keyword:
理学療法
,
生活期
,
地域包括ケア
pp.97-99
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200459
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予防重視型システムに始まった激動の10年
これまでの10年とこれからの10年について,生活期リハビリテーションの立場から所感を述べる.筆者が介護老人保健施設を中心に生活期に携わってきた関係から,高齢者の話題に偏っていることをお許しいただきたい.
今から10年前は,介護保険創設から5年が経過し,最初の大きな制度見直しの年であった.要介護認定者のなかでも軽度者の大幅な増加に対し,国は「予防重視型システム」への転換を図り,2006年には新介護予防システムが開始された.要支援者は2つに区分され,また非該当の高齢者に対しても要介護状態に陥りやすい高齢者として特定し,地域支援事業のなかでその対策が打たれた.また新予防給付と地域支援事業を推進し,地域における総合相談・支援,介護予防マネジメント等を担う機関として,地域包括支援センターが創設された.「介護予防とリハビリテーション」の重要性が謳われたにもかかわらず,理学療法士が必置の職種とならなかったのは非常に残念であった.この年はさらに新たなサービス体系として地域密着型サービスなども創設されている.
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