あんてな シリーズ 介護予防への取り組み・8
在宅リハビリテーションの視点からみた介護予防事業と理学療法のかかわり
安倍 浩之
1
Hiroyuki Abe
1
1株式会社ふらむはぁとリハビリねっと
pp.843-851
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201642
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はじめに
理学療法は,主に予防,治療,リハビリテーションの3つのアプローチに分類できる.在宅におけるいわゆる生活期の理学療法は,リハビリテーションの最終局面で予防と重なってくる.なぜなら,予防は,多様な「したい(する)こと」,「行きたい(行く)所」,「会いたい(会う)人」(以下,「want to」)があって,それらが適当な活動量や心の充実感とともに達成できているからこそなされるからである.一方,リハビリテーションは,目標となる多様な「want to」があり,それらが同様に達成されてこそ成し遂げられたとされるのである.つまり,本来,介護予防事業は,高齢者が要介護状態になるのを未然に防ぐための事業であるが,視点を変えると,医療や介護保険給付によるリハビリテーション終了後の受け皿となるリハビリテーション事業でもある.
本稿では,福井県小浜市における介護予防事業の概要と理学療法士のかかわりについて報告し,また,在宅リハビリテーションの視点からみた介護予防事業について考察を加える.
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