ひろば
ICFにおける社会参加の意義
奈良 勲
1
1広島大学
pp.981
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201346
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世界保健機関(World Health Organization:WHO)は,健康はもとより疾患,病気,能力低下または能力不全などの分類によって,世界共通の基準を定め,それらの掌握と対策を講じてきた.1980年に国際障害分類(International Classification of Impairments,Disability,and Handicaps:ICIDH)が定められ,2001年には,国際生活機能分類(International Classification of Functioning,Disability and Health:ICF)として改定された.
ICFの特徴は,すべての人間が対象になる健康状態を基盤として,変調もしくは疾患・病気によって影響を及ぼす構成要素,「心身機能・構造(impairments)・活動(activities)・参加(participation;日本語版では社会参加)」を定めたことであろう.また,人間生活に多大な影響を及ぼす環境因子と個人因子をも考慮されている.さらに,これまでネガティブな側面に評価の視点が置かれていたのに対して,ポジティブな側面を同時に掌握することは,対象者の可能性に焦点をおいた前向きな対応であると言える.
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