入門講座 高齢者の理学療法を行うために知っておこう—検査・栄養・薬・運動・2
高齢者の栄養と運動
西岡 心大
1
Shinta Nishioka
1
1長崎リハビリテーション病院法人本部人材開発部/栄養管理室
キーワード:
栄養障害
,
体組成評価
,
栄養スクリーニング
,
栄養アセスメント
Keyword:
栄養障害
,
体組成評価
,
栄養スクリーニング
,
栄養アセスメント
pp.950-957
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201341
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はじめに
ヒトは外界から摂取した食品(栄養素)を消化・吸収・代謝しなければ生体を維持することができない.「良好な栄養状態」とは生体内に必要十分量の栄養素が蓄積され,体組成や心身機能が正常に保持できている状態と言える.逆に,何らかの原因によって生体内の栄養素の蓄積が不足あるいは過剰となり,体組成変化や機能障害を生じた状態が栄養障害である.栄養障害の有無や程度を示すさまざまな指標が栄養指標であり,栄養指標を用いて栄養障害の有無や程度を詳細に評価することを栄養評価(栄養アセスメント)と呼んでいる.
理学療法を含むリハビリテーションの適応となる対象者では,栄養障害を認めるとADL改善や経口摂取再獲得が阻害されることが明らかになっている1,2).詳細な栄養アセスメントは専門技術と時間を要するため,理学療法士が現場で自ら実施するというより,管理栄養士などの栄養専門職による評価の見方を知るほうが現実的かもしれない.一方,目の前の症例に対して簡便に栄養状態を把握するために役立つ手法も存在する.本稿では成人を対象として,現場で利用可能な栄養指標や栄養スクリーニング・栄養アセスメントの技法について概説する.
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