オリパラ関連企画 理学療法士が知っておきたい重要なスポーツ動作・10
車椅子バスケットボールにおける車椅子操作
眞田 崇
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1せきね整形外科 桜丘クリニック
pp.948-949
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201340
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車椅子バスケットボールとは(図1)
車椅子バスケットボールは,通常のバスケットボールと同じコートとボールを使い,リングの高さも同様である.障害者スポーツの特徴である選手1人ひとりに付与される「持ち点」があり,障害の度合いに応じてクラス分けされている.車椅子バスケットボールは1.0点,1.5点,2.0点,2.5点,3.0点,3.5点,4.0点,4.5点の8クラスに分けられる.試合では出場する5人の選手の持ち点が合計14.0点以内と決められている.ただうまい選手が5人出られるわけではないので,試合に出場する5人の組み合わせが勝敗を左右することもある.ここがこの競技をおもしろくしている要素の1つであり見どころである.
選手が持っている障害は脊髄損傷と下肢切断が多い.車椅子操作をはじめとする競技動作は,持ち点や個々が持っている障害によっても同じ車椅子バスケットボールでも多少異なる.また,車椅子操作,バスケットボールの動作,そこに個々の選手が持っている障害という要素を考慮しなければならない.特にバスケットボール動作,ボールを扱う前段階である車椅子操作のスキルは競技を行ううえでとても重要になる.試合は合計40分のため,車椅子操作を行い続ける持久力が必要とされる.各クラブチームの練習においても体力づくりを目的とした車椅子を前後に漕ぐ,止める,ジグザグに動く,ターンなどの操作を時間をかけて練習している.
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