とびら
腰痛予防の取り組みを通して
磯 あすか
1
1フィジオセンター
pp.277
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200830
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私の職場では,秋から冬にかけて自治体職員向けの講習会に講師として出向きます.4年前から始まった,廃棄物処理関連施設の職員の腰痛予防のための講習会です.
講習会では,作業による負荷や疲労を蓄積させないために,「腰とともに股関節をしっかり動かすこと」を伝え,「作業中に想定される動き方の指導」を実施しました.参加者から好評だったとのことで翌年以降も依頼があり,現在は9施設で400名以上の方を対象としています.さまざまな身体状況,背景の方に対して30分程度の講習では限界を感じ,2年目からは腰痛の既往のある方に対して個別相談を開始しました.個別相談では,腰痛の経過や治療歴を聞き,基本動作を評価して自宅でできる体操と生活上のアドバイスをしました.意外なことに,作業中に発症した方よりも若年での発症や生活のなかで発症し仕事で悪化したと考えられる方が多くいました.受診しても特に異常がなく,コルセットの使用と内服を勧められ,運動療法はしたことがない方がほとんどでした.その理由はわかりませんが,理学療法士がかかわれない現状をとても残念に感じました.
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