Japanese
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研究
健常成人自然睡眠下における感覚入力が与える覚醒と情動および気づきへの影響—意識障害患者への臨床応用に向けた予備的研究
Effects of various sensory input on arousal and emotion and awareness in healthy adults sleeping naturally: A pilot study for clinical application to patients with consciousness disorders
小島 朋子
1
,
渡部 敦子
2
,
佐藤 和強
1
Tomoko Kojima
1
,
Atsuko Watanabe
2
,
Wakyo Sato
1
1東京都立多摩総合医療センター
2東京都立墨東病院
キーワード:
感覚入力
,
覚醒
,
情動
Keyword:
感覚入力
,
覚醒
,
情動
pp.305-312
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203322
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Abstract:意識障害患者に対する感覚入力は,意識賦活の手段として行われ,覚醒とともに情動に影響するとされる.意識は覚醒を根底に,周囲や自身の認識を行う気づきという高次の意識に連なるとされている.本研究では,感覚入力と覚醒・情動・気づきとの関連を明らかにするため,自然睡眠状態の健常成人8名に各種感覚入力を与え,その反応を調査した.BISを覚醒度の客観的指標として用い,感覚入力前後のBIS中央値変化をWilcoxon符号順位検定にて統計的に処理した.情動と気づきに対する影響は,2種類の質問紙(JUMACLと独自に作成した自記式評価票)を用いて分析した.結果,感覚入力はいずれの方法によっても有意に覚醒を促した.情動と気づきの回答は,感覚入力の種類による偏りがあった.刺激によって生じた情動に基づく価値判断と刺激や自身の状態への気づきは,覚醒後の気分に影響し,行動や反応に関与すると推測された.
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