1ページ講座 理学療法用語~正しい意味がわかりますか?
促通
居村 茂幸
1
1茨城県立医療大学理学療法学科
pp.122
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105986
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末梢性麻痺の本質が量的変化であるのとは根本的に違い,中枢性麻痺のそれは運動パターンの異常という質的な変化である.中枢性麻痺に対する理学療法を歴史的にみると,1940年代から50年代半ばにかけて,これまでの筋力増強運動を行うだけでなく,神経生理学的な諸法則を背景に麻痺の治療に役立たせようとする理学療法の理論と技術が体系化されはじめ,様々な理学療法手技が発表された.すなわち,PNF法,Bobath法,Brunnstrom法,Rood法などがそれである.現在,これらを総称してファシリテーションテクニック(facilitation technique)と呼んでいるが,テクニックの内容にはfacilitationのみならず抑制(inhibition)の要素も含まれており,この単語がもつ本来の意味のみとは違うので注意を要する.
そのためか,近年では神経生理学的あるいは発達学の理論を基礎にした神経筋再教育の特殊な方法として,神経生理学的アプローチ(neurophysiological approach;NPA)とか,神経発達学的アプローチ(neurodevelopmental approach;NDA)とよばれることが多くなっている.
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