講座 臨床実習指導の創意工夫・2
理学療法のエキスパートを育てる―臨床実習をめぐる私の工夫
実習指導における基本的姿勢―大学医学部附属病院での経験から/肢体不自由児施設における臨床実習指導の工夫
神先 秀人
1
,
横井 裕一郎
2
,
水上 八行
2
Kanzaki Hideto
1
,
Yokoi Yuichiro
2
1京都大学医学部附属病院理学療法部
2北海道立札幌肢体不自由児総合療育センター
pp.123-128
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105987
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1.はじめに
大学病院に勤務するようになり,多くの臨床実習生を担当してきた,平成6年までは対象は1校のみであったが,養成校の急増という社会的要請に応えるべく,平成7年より他の養成校からも実習生を受けるようになった.現在では5校から評価実習,臨床実習それぞれ8名程度がほぼ1年を通して途切れることなしにやってくる.
一方,指導する側のスタッフは5名だが,3年以上の経験者は現在3名のみである.また,国立の病院といっても,採算を問われる厳しい状況のなかにあり,スタッフ各々が毎日20名程度の患者を担当している.学生にとっては「学ぶ」以上に「使われる」側面を持ち,決して恵まれた環境とはいえない状況である.過去の自分自身を振り返っても決して臨床実習に情熱を注いできたわけではない.したがって,指導体制や教育方法に関して専門的なことを述べたり,指針となるような提言をしたりすることはできない.臨床の片手間に多くの学生と関わってきた者として,自分なりに感じ,工夫してきたことを述べさせていただき皆さんのご批判を頂戴したい.
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