特集 EBP in Physical Therapy
[エディトリアル]EBMと理学療法
内山 靖
1
Uchiyama Yasushi
1
1群馬大学医学部保健学科理学療法学専攻
pp.311-313
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105796
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医療の目標が人類の幸福に寄与することは不変であるが,その時々の中心的課題は社会環境に対応しながら変化している.我が国では感染症対策を中心とした原因に対する治癒を目指した時代から,生活習慣病や慢性難治性疾患への環境対策や疾病・障害の予防などに対する地域・在宅・生活を基盤とした医療の枠組みを拡げた取り組みが重視されるようになってきている.このようななかで,理学療法も対象と適応を拡大する一方で,介入の効果を客観的に提示することが求められている.
先進諸国の医療を振り返ると,第二次世界大戦後の福祉国家を目指した医療保険の拡充と医療技術の革新および医療供給体制の拡大を経て,1970年代に入ると高騰した医療費を抑制するためのマネージド・ケアの時代が米国を中心に到来した.更に近年では,説明責任とアウトカム・マネージメントが強調されるようになっている1).
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