特集 理学療法における動作のアセスメント
—エディトリアル—理学療法における動作のアセスメント
永冨 史子
1
Fumiko Nagatomi
1
1川崎医科大学総合医療センターリハビリテーションセンター
キーワード:
動作アセスメント
,
動作観察
,
動作分析
Keyword:
動作アセスメント
,
動作観察
,
動作分析
pp.193-198
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201135
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はじめに
本邦で昭和40(1965)年に制定された「理学療法士及び作業療法士法」には,「『理学療法』とは,身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と記載されている.この法律に定義された「理学療法士」とは,「厚生労働大臣の免許を受けて,理学療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,理学療法を行なうことを業とする者」である.
「治療体操その他の運動」を行うために機能・動作評価は不可欠である.本邦の1960年代のリハビリテーション関連雑誌には,脳卒中,脳性麻痺,脊髄損傷など,疾患別の病態,評価,動作練習ポイントを特集テーマに取り上げたものが多くみられた.徐々に疾患を特定しないテーマも取り上げられるようになり,臨床現場で動作時筋活動が分析の対象となったのは1960年代後半,動作分析・歩行分析が注目され,臨床応用・臨床研究が盛んになったのは1980年代である1,2).現在,理学療法の臨床あるいは臨床実習で動作観察や分析を行うこと,さまざまな手法があることはもはや常識である.
「理学療法における動作のアセスメント」を特集するにあたり,その基本的な成り立ち,誰が何をアセスメントするのか,理学療法士がアセスメントする動作自体の意味も含め,あらためて考えてみたい.
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