とびら
達成動機
佐々木 誠
1
1仙台医療技術専門学校理学療法学科
pp.1
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105718
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理学療法士養成校の教員になって,毎年思うことであるが,最近の学生は理学療法に対して非常に高い目的意識をもって入学してくるものだと感心させられる.理学療法のことが社会的にも正しく認識されてきている証しであろうとも思うが,それにも増して,これほどまでに多種多様な人種の若者が出現してくるのであるから,そんな中で目的をもって理学療法士を目指そうとする方々を,私はただそれだけで尊敬してしまう.
入学してきたそのような学生達をどれだけ伸ばしてあげられるかが,私に課せられた役割なのであろうと思う.知識や技術を習得させることは,場合によっては学習用コンピュータシステムのほうが効率がよかったり,ゼミナール形式で学生の自由な発言を引き出すだけで上手くいったり,デモンストレーションの後の学生同士のロールプレイにちょっと手出し・口出しするのみでいいのかもしれない.もちろん教員として,そこには授業展開の工夫と臨機応変な対応の用意をしておくわけではあるが,学生自身が十分動機づけられていれば,限られた知識を駆使した問題解決を根気強く続けようとするのであろうし,技術の未熟さを学友同士で,あるいは教員を頼りに少しでも解決しようと試みるようである.まさに,学生自身の達成動機をよりよく喚起することが大切なことのように思う.
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