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特集 患者満足度を高める糖尿病診療
第1部 外来で患者満足度を高める
生活習慣
達成率が低いときは,達成できた例外を探す
Explore the exception
佐藤 元美
1
1国保藤沢町民病院
キーワード:
生活習慣
,
患者教育
,
療養指導
Keyword:
生活習慣
,
患者教育
,
療養指導
pp.250-251
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100684
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- Abstract 文献概要
セルフケア・チェック表で行動目標をチェックする
達成率を%で表示し,具体的に賞賛する.
外来指導の実際
□具体的な賞賛が効果的
患者は,毎日セルフケア・チェック表で行動目標を守れたかどうかをチェックします.次の診察日に,行動目標毎に達成率を計算して,結果を患者と話し合います.高い達成率が得られたとき,前回よりも達成率が向上したときは,「どのようにしてすばらしい成果をあげたのですか?具体的に教えてください」と質問します.患者自身は自覚していないことが多いのですが,行動目標を達成するには,様々な小さな工夫や周囲のサポートが不可欠です.患者とその環境の強みに注目することで,患者は自分の生活をコントロールしている実感を深めます.具体的な賞賛が効果的です.「お菓子をいつもテーブルの上に出しておかずにすることで,間食の回数を減らす,工夫と実行力はすばらしいと思います」など.
まだ達成していない行動目標や達成率が向上したとは言っても100%には足りないことに焦点を当ててしまう傾向がありますが,患者の自信とやる気を高めることに集中することが大切です.また,行動目標よりもHbA1Cなどの代謝マーカーの変動に関心が向かいがちです.特に代謝マーカーの著しい改善が得られたときに,患者を差し置いて喜ぶべきではありません.糖尿病手帳を示して,「今日の検査結果はお聞きになりましたか.どんな気持ちですか?」と患者の感情に注目することが大切です.悪化しているときには更に慎重に感情に注目することが求められます.常に患者が主役です.私たちはコーチとして控えめにリードするように努めます(Tips 1).
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