特集 悪性腫瘍治療の進歩と理学療法
骨髄移植前後のリハビリテーション
星野 敬子
1
,
小山 祐司
2
,
矢部 普正
3
,
古野 薫
2
,
石田 暉
2
Hoshino Keiko
1
1東海大学医学部付属病院リハビリテーション科
2東海大学医学部付属病院リハビリテーション学教室
3東海大学医学部付属病院小児科学教室
pp.691-696
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105636
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1.はじめに
骨髄移植は,白血病や再生不良性貧血先天性免疫不全などに対する画期的かつ根治を期待しうる治療法として,その有用性が広く知られている.しかしその一方で,骨髄移植の前処置に用いる抗癌剤の大量投与や,放射線の全身照射,無菌室での隔離・安静は,患者の全身的な機能を著しく低下させ,医原性の廃用症候群を引き起こす.また,無菌室での隔離状態により,情緒不安定や易感受性などの心理的問題を生ずる患者が少なくない.
このため骨髄移植のリハビリテーションでは,高度な全身管理やハイリスク下で,廃用症候群の合併を防ぎ,身体機能の向上を図ると共に,精神的支援も考慮しなければならない.
本稿では,多面的なアプローチが必要とされる骨髄移植のリハビリテーションについて,チーム医療を重視した当院での具体的対応を紹介する.
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