プログレス
リハビリテーション前後の食物療法
奥山 治美
1
1名古屋市立大学薬学部
pp.191
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103469
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1.初めに
成人でリハビリテーションを受けている場合,事故などを除くとその原因としては脳卒中,痴呆症,リウマチなどが頭に浮かぶ.治療後のリハビリテーションで機能回復を図っていても,病気が進行したり再発すると,折角の療法の努力が実り少ないものとなる.何よりも病気の進行と再発をくい止めなければならない.
これら慢性疾患は食物の油の成分の影響を強く受けて発症する.そこで再発を防ぎ,治療効果を高めるためには,食物の油に注目する必要がある.
従来の慢性患者予防の油の選択は,「動物性脂肪(S)の摂取を抑え,リノール酸の多い植物油(P)をふやすこと,すなわちP/S比を上げること」であった.ところがこの栄養指針には落とし穴があり,現在では逆にリノール酸の多い植物油やその油を使った食品の摂取をできるだけ減らすことが,慢性疾患予防の基本であることがわかってきた.
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