特集 悪性腫瘍治療の進歩と理学療法
乳癌切除術後の理学療法
渡辺 京子
1
Watanabe Kyoko
1
1亀田総合病院リハビリテーションセンター
pp.697-702
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105637
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1.はじめに
乳癌は罹患率では我が国の女性癌のトップであるが,他の臓器癌と比較して予後はそれほど悪くはないといわれている.しかし,このまま高齢社会が進むと,乳癌の罹患数・死亡数はいずれも2015年には,結腸癌についで多くなり,罹患年齢も平均56.9歳と予測されている1).したがって,乳癌のリスク因子を下げる意味での検診等による早期発見,早期治療開始および術後のリハビリテーションが重要になってくる.
1988年から2000年3月までに,当院で出された乳腺処方数は入院751件,外来289件,累計1,040件に上る.特に1995年以降,電子カルテシステムの開始によりオーダリングが容易になり,また,退院後のリハ継続治療システムが充実したこともあずかって,癌患者に対するリハ処方も増加傾向にあり,1999年度の入院リハ全処方数2,451件中癌患者が161件(6,6%),臓器別では乳癌が60例で37,3%を占めている(図1).
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