Japanese
English
特集 子供のリハビリテーション
Ⅲ.子供のリハビリテーション(脳性麻痺を除く)
小児骨髄移植後のリハビリテーション
Rehabilitation Following Bone Marrow Transplantation in Children.
石田 暉
1
Akira Ishida
1
1東海大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University, School of Medicine.
キーワード:
骨髄移植
,
白血病
,
リハビリテーション
Keyword:
骨髄移植
,
白血病
,
リハビリテーション
pp.871-874
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106637
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はじめに
骨髄移植とは,従来治療が困難とされていた白血病・再生不良性貧血などの造血細胞の異常や先天性免疫不全症などの免疫適格細胞の欠陥に対し,根治を目的に健常人から正常な骨髄細胞を移植し,患者の骨髄を再構築する治療法である.
骨髄移植の導入に関しては,数多くの動物実験が重ねられ,血液学・免疫学の進歩とあいまって,欧米では1960年代には臨床応用が可能となった1).
本邦においても骨髄移植の治療成績は着実に向上を示し,その有用性は広く認められるようになってきている.しかしながら骨髄移植の前処置としての抗癌剤の大量投与や,放射線の全身照射,さらには無菌室への長期間の隔離・安静は患者の全身的な機能を著しく低下させると同時に,二次的な合併症の発生誘因ともなりうる.そのための障害の永続化は骨髄移植の成否に重要な影響をもたらし,長期生存し得たとしても,人生の質,すなわちquality of lifeを低下させる原因ともなっている.
東海大学リハビリテーション科の各スタッフは骨髄移植チームのメンバーとして参加し,早期より骨髄移植の結果生ずる様々な問題に対しチームアプローチを行い,良好な成績を得ている.
今回は骨髄移植後に起りうるリハビリ上の種々の問題点について述べると共に,我々の行っているプログラムとその治験例について紹介する.
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