特集 嚥下障害/熱傷
頭頸部腫瘍術後の嚥下障害と理学療法アプローチ
太田 清人
1
,
小林 孝誌
1
,
山本 実
1
,
有嶋 拓朗
1
,
森 正博
2
Ohta Kiyoto
1
1豊橋市民病院リハビリテーションセンター
2森耳鼻咽喉科
pp.228-234
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105277
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1.はじめに
頭頸部腫瘍の発症とその治療により,摂食嚥下障害(以下,嚥下障害)やコミュニケーション障害を呈する場合がある.頭頸部腫瘍の治療には,主に放射線療法,化学療法,手術療法がある.これらの治療を施行することにより,しばしば嚥下障害がみられる.特に手術療法後には重篤な嚥下障害に陥ることが多い.しかし,治療技術の進歩により,従来では困難とされていた症例にも積極的な治療が行われている.例えば,拡大切除術後に形成外科的再建術や嚥下改善術を応用し,更にリハビリテーションを行うことにより,嚥下障害を最小限に抑えられるようになっている.嚥下障害を克服することは患者のQOLを維持するために重要である.本稿では,頭頸部腫瘍の手術療法に伴う嚥下障害について解説し,その治療のリハビリテーションについて概説する.
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