特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
各論
4.頭頸部腫瘍術後の機能回復 2)舌癌・咽頭癌術後の嚥下
冨田 吉信
1
,
山下 弘之
1
1国立病院機構九州がんセンター頭頸科
pp.177-182
発行日 2007年4月30日
Published Date 2007/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101099
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Ⅰ はじめに
近年の集学的な治療の発展によって頭頸部癌の治療成績は向上した。すなわち,放射線照射,抗癌剤による化学療法および手術を組み合わせることによって,従来は治療が不可能であった症例に対しても根治的な治療が可能となった。さらに形成外科的な技術の向上によって,切除してできた欠損部位を再建できるようになった。しかし,同時にこれらの集学的な治療は生体に対しより多くの侵襲をもたらした。このため治療による咀嚼障害,嚥下障害,および音声障害といったQOLの低下に遭遇することになった。これらの障害は入院期間の長期化をもたらし,治療後の社会復帰を妨げている。今回は舌がんと咽頭がんの治療後に発生した嚥下障害を経験したので報告する。
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