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大腿義足ソケット
陳 隆明
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院整形外科
pp.288-290
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105054
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はじめに
大腿切断者には膝関節が存在しない.したがって,彼らが歩くためには膝継手を備えた義足を必要とする.切断者と義足をつなぐものがソケットであり,ソケットを通して断端の力が義足に伝わるのである.それ故に,ソケットの適合の善し悪しが,切断者の歩行能力を大きく左右するといっても過言ではない.
より良いソケットの適合を得るには,ソケットのデザインや素材,確かな製作技術など義足側の条件だけではなく断端側の条件も重要である.つまり,医師がいかに努力して手術時に良好な断端を作り出すかどうかである.作り出された断端が不良であれば,当然ソケットの適合は困難となり,切断者の歩行能力にも悪影響をもたらすであろう.
セラピストや義肢装具士は出来上がった断端をスタートラインと考え,義肢の適合に取り組むわけであるが,本当の義肢の適合は手術時にすでに始まっているのである.この役割を担う医師の責任は重大である.
本稿では,大腿義足ソケットとして主に四辺形ソケットと坐骨収納型ソケットについて述べるとともに,最新の大腿切断術についても紹介する.
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