特集 合併障害をもつ片麻痺者の理学療法
下肢切断を伴った脳卒中片麻痺の理学療法
小嶋 功
1
,
長倉 裕二
2
,
大藪 弘子
3
,
高瀬 泉
3
,
町田 勝広
3
,
山下 隆昭
3
,
陳 隆明
4
,
中川 昭夫
5
,
大塚 博
5
,
澤村 誠志
6
Ojima Isao
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院総合相談室
2兵庫県立総合リハビリテーションセンター家庭介護・リハビリ研修センター
3兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院リハビリ療法部
4兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院整形外科
5兵庫県立総合リハビリテーションセンター福祉のまちづくり工学研究所
6兵庫県立総合リハビリテーションセンター
pp.93-101
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105008
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
循環障害を原因とする下肢切断は,閉塞性動脈硬化症や糖尿病に起因する,いわば全身性にわたるリスクや合併症を持つことになる.なかでも下肢切断に片麻痺を合併する比率は,循環障害による下肢切断者の増加に伴いその発症リスクは高くなってゆくものと思われる.それぞれの障害の発症時年齢・期間,切断部位,切断と麻痺側が同側か対側か,脳血管障害に伴う高次脳機能障害の有無,さらに糖尿病や心疾患を合併している場合等々,義足歩行に対する予後予測は極めて難しく,理学療法を進める上でも,また患者・家族指導をおこなう上でも難渋することが多い.
本稿では我々が過去に報告1-4)した下肢切断と片麻痺を合併した症例の経験を基に,さらに若干名の症例を追加した17例のリハビリテーションを行った結果から,理学療法や義足の選択・工夫ならびにリハビリテーションの進め方について述べる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.