特集 脳卒中の理学療法を再考する
脳卒中と下肢装具
小嶋 功
1
Ojima Isao
1
1特定医療法人深田記念会松井病院 リハビリテーションセンター
pp.683-692
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100145
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はじめに
脳卒中片麻痺者の下肢の装具療法は,急性期から患者の病態や機能状態に応じて,装具の素材やデザイン,装着練習,適合判定と共に生活状況を考慮に入れた理学療法技術(patients-orthosis matching)1)である.
近年,EBM(evidence-based medicine)を基に様々な疾病・疾患分野でガイドラインが示され,診断・治療における臨床判断の根拠として活用されるようになってきた.EBMの目的は疫学的手法の中から最新かつ最良の検査や治療法の有効性を見出すために,系統的研究から得られたデータを適切に臨床に応用することである2).
本稿では,脳卒中片麻痺患者の下肢装具の現状に関して,装具の特性および種類をはじめとして,急性期から慢性期に至る装具の適応や装着練習,片麻痺に随伴する症状に対する治療法など,理学療法上の臨床的疑問や問題について,EBMの観点から文献的な考察を加えて概説してみたい.
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