Japanese
English
特集 小児の切断
小児下肢切断の理学療法
Physical therapy for the child lower extremity amputee
山下 隆昭
1
,
三橋 保雄
1
,
西岡 正明
1
Takaaki YAMASHITA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
pp.177-184
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100587
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はじめに
近年,交通事情の悪化に伴い,子どもも大人同様,またはそれ以上に危険にさらされる場合が増加している.一方,悪性腫瘍によるものあるいは,先天性奇型を加えると,小児切断のリハビリテーションまたはリハビリテーションが非常に重要な課題であることが理解できる.
我々は,子どもを扱う場合に,ややもすると,大人のミニチュアとして,大人に対する既成の手技を,そのまま応用しがちであるが,子どもをよく観察していると,その考え方が間違いであることが解る.大人に比して,子どもは,身体的には,身長,体重の両面において成長を続けており,筋力,功緻性,神経筋系の協調動作などの運動能力が発達途上にある.また,色々な動作において,活動的で弾力的である.社会的,経済的には,保護者に全面的に依存しており,教育的には義務教育の中途段階かそれ以前である.心理的には,未熟で障害に対する両親の態度から影響を受けやすい.以上のような特徴をよく念頭において,大人の切断に対する系統的アプローチの中で,子どもに適用できるものは取り入れて彼ら一人一人に即応したプログラムを進行させなくてはならない.
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