特集 合併障害をもつ片麻痺者の理学療法
関節炎を伴った脳卒中片麻痺の理学療法
内田 成男
1
,
石原 勉
1
Uchida Shigeo
1
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
pp.109-116
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105010
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1.はじめに
脳卒中は非常に幅広い年代で発病するが,高齢者に多発することは周知のところである.したがって,脳卒中片麻痺では,加齢に伴う心・血管系の障害や代謝疾患および骨・関節の退行変性に伴う障害など,実に多彩な合併障害を認める場合が多い.さらに,脳卒中片麻痺には一次的に随伴する失語,失認,失行,痴呆なども加わるため,いわゆる半側上下肢の運動麻痺のみのケースは比較的まれといえる.
さて,合併障害を有する片麻痺患者の理学療法については,我が国においても多角的に検討されてきた1).しかし,骨・関節の障害を合併した片麻痺に関する報告は意外と少ない2,11).そこで本稿では,片麻痺の合併症としての骨・関節障害の現状について概観したあと,関節炎,特に変形性膝関節症あるいは慢性関節リウマチ(RA)を合併した症例の理学療法について報告する.
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