特集 関連領域―腎障害と運動療法
慢性腎不全における骨・関節障害と運動療法
仲谷 達也
1
,
金 卓
1
,
岸本 武利
1
Nakatani Tatsuya
1
1大阪市立大学医学部泌尿器科
pp.482-486
発行日 1997年7月15日
Published Date 1997/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104813
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1.はじめに
長期維持透析患者が増加し,また高齢者の透析治療導入が増えつつある今日,これらの患者の骨・関節障害は医学的にも社会的にも重要な合併症の1つとなっている.すなわち,骨痛・関節痛・骨折による関節可動域制限などのため生活の質(QOL)が著しく低下するばかりでなく,医学的にも適切な運動ができないため筋肉量減少,心・循環障害の悪化,種々の代謝の悪化を招き,そのため長期入院あるいは社会的入院を要する患者が増えつつあるという現実があり,その対策が重要性を増してきている.
本稿では慢性腎不全における骨・関節障害の発症機序を説明し,その予防・治療を述べるとともに,それに対する運動療法の意義・留意点について解説したい.
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