特集 特別養護老人ホームにおける理学療法
特別養護老人ホームにおけるショートステイ,デイサービスと理学療法
丸田 和夫
1
Maruta Kazuo
1
1石川県八田ホーム
pp.787-793
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104640
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1.はじめに
特別養護老人ホーム(以下,特養)におけるショートステイ,デイサービスは,ホームヘルプサービスと共に在宅福祉サービスのなかの重要な3本柱として位置づけられている.その緊急的整備は,新ゴールドプランにおいても求められているところである1).しかし,そこでの理学療法士による専門的なサービスは,基本的には求められていない.
老人保健福祉審議会「第2次報告」(平成8年1月31日)による「新たな高齢者介護制度について」2)をみると,在宅サービスの基本的な考え方のなかの1つとして,リハビリテーション(以下,リハビリ)サービスが取り込まれている.ただし,その内容は老人保健法で実施されているようなデイケアや訪問リハビリを含み,高齢者の心身機能の維持・回復のための機能訓練等を提供するものとされている.ショートステイやデイサービスについては,介護サービスが基本とされており,維持期リハビリサービスも必要であることは一応求められている.しかし,そこでの理学療法士の役割については,まだまだ不透明なところが多いようだ.そこで本稿では,現行制度のなかでの特養におけるショートステイとデイサービスの理学療法業務について,制度上の特徴と内容を総論的に述べ,今後の課題を明らかにしたい.
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