特集 特別養護老人ホームにおける理学療法
特別養護老人ホーム入居者に対する主体的な生活行動に向けた取り組み
髙口 光子
1
Takaguchi Mitsuko
1
1特別養護老人ホームシルバー日吉
pp.794-799
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104641
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1.はじめに
寝たきりにしない,させないのスローガンのもと,老人の主体性に注目した介護ということが,現在の老人ケアのあり方,または考え方の主流といえよう.すでに,“良い老人ケア”の方法も出尽くした様子である.それは,好きな物を好きなだけ食べていただき,食べたいという気持ちを大切にする食事ケア,オムツを着けっぱなしにしない坐位姿勢を基本とした排泄ケア,ゆっくりとした楽しみとなるような入浴ケアなどである.最高のQOLとは当たり前の生活そのものであり,当たり前を実現するために特別なこと(つまり個別ケア)を行う.これが現場の方法論である.
皆が知っている“良い老人ケア”を仕事として表現していくにはどうしたらよいのか.老人ケアの職場は常にこの点で模索を続けている.在宅,病院,老人保健施設,老人福祉施設と所属は異なっても,ケアについての検討課題は共通していると考える.今回は特別養護老人ホームという場から,これらの検討課題をまとめてみたい.
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