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特集 Duchenne型筋ジストロフィー
Duchenne型筋ジストロフィーへの進行期における対応
Duchenne Muscular Pystrophy: Clinical Management of Duchenne Muscular Dystrophy in Progressed Stages
松家 豊
1
Yutaka MATSUKA
1
1国立療養所徳島病院整形外科
1Department of Orthopedics, National sanatrium Tokushima hospital.
pp.89-94
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104218
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Ⅰ.初めに
Duchenne型筋ジストロフィー(以下DMDと略.)は最近,遺伝子診断によって診断が確実となった.また,筋病変を主とした臨床病態像も研究,診療機器の進歩などで自然歴に沿い詳しく解明されてきた.その治療分野ではリハビリテーションを中心とした初期からの対策が多大の成果をあげ,延命が図られてきた.このリハビリテーションも国立療養所に病床が設置(1964年)されたことにより発展を促してきたと言える.DMDの初期から末期に至るリハビリテーション体系は約30年間の変遷のなかで多くの経験を基にほぼ確立されてきた.
本稿では運動機能を主とした進行期におけるリハビリテーションについて,歩行不能になってからのリハビリテーションの具体的アプローチを取り上げる.DMDにみられる最初の歩行能喪失といった重大な障害体験の到来,続いての体幹,上肢機能への障害進展,さらには生命の不安を伴った呼吸障害への移行といった進行過程を追って述べる.しかし,この間に同時にみられる患者の心理的葛藤と忍耐を思うとき悲惨な運命と言える.したがって,リハビリテーションスタッフのチームワークによって最善の取り組みが必要である.そのなかで理学療法士・作業療法士の果たしてきた役割の実際について概要を述べる.
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