特集 遺伝と臨床検査
II DNA診断
2.DNA診断の応用
1) Duchenne型筋ジストロフィー
有川 恵理
1,2
,
荒畑 喜一
1
,
杉田 秀夫
3
Eri ARIKAWA
1,2
,
Kiichi ARAHATA
1
,
Hideo SUGITA
3
1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部
2(現)順天堂大学医学部脳神経内科
3国立精神・神経センター神経研究所
pp.82-87
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901285
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●はじめに
従来,疾患の遺伝子解析は蛋白質レベルの異常を基に,その原因遺伝子を調べるという方法がとられていた.しかし,Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)については最初に疾患の原因遺伝子がクローニングされ,次いで,その遺伝子産物であるジストロフィンという蛋白質が発見された.このようなアプローチの方法は"逆遺伝学"と呼ばれる.このジストロフィンの発見は,近年の遺伝子工学技術の進歩がもたらした最も輝かしい成果の1つであろう.ここではこれによって進歩した筋ジストロフィー診断技術の進歩に関してDNA診断を中心に述べる.
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