Japanese
English
特集 嚥下障害
脳血管障害による嚥下障害の評価と訓練
Disturbances of Chewing, Sucking and Swallowing: An Evaluation and Treatment Program for Dysphagia in Stroke
小椋 修
1
,
中西 千代美
1
,
溝尻 源太郎
2
,
柴 裕子
3
Osamu OGURA
1
,
Chiyomi NAKANISHI
1
,
Gentaro MIZOJIRI
2
,
Yuko SHIBA
3
1適寿リハビリテーション病院理学診療科
2みぞじりクリニック耳鼻咽喉科
3柴耳鼻咽喉科
1Department of Physical Therapy Medicine, Tekiju Rehabilitation Hospital.
2Otorhinolaryngology, Mizojiri Clinic.
3Otorhinolaryngology, Shiba Clinic.
pp.246-251
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103977
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Ⅰ.初めに
脳血管障害による嚥下障害のリハビリテーションには,関連各領域のチームアプローチが望ましいが,必要なすべてのスタッフ,検査装置が揃うとは限らず,それぞれの施設の事情に応じた工夫も必要である.嚥下障害の評価には,嚥下運動の観察の点から,嚥下時のX線透視を録画観察するvideofluorography(以下,VF)の必要性が強調されている.しかし,実際の訓練場面では,口腔顔面の器官の検査とともに話し言葉や食事場面の観察など,日常的な観察所見を基に嚥下機能を推測することも重要となってくる.
われわれは3年来,耳鼻咽喉科医と協力し内視鏡を使った喉頭観察を続け,中枢神経疾患例の喉頭の器質的変化,発声・嚥下時の喉頭の運動を調べている.それにより,話し言葉や声の質の評価,咳ばらいのようすなどの臨床所見が,嚥下における咽頭・喉頭のようすをある程度反映することを確認できた.また,訓練の有効性が視覚的に示された.
嚥下障害の評価における日常的な観察所見と嚥下運動との関連を示し,訓練の考え方を述べる.また訓練により経口摂取自立となった症例を紹介し,経口摂取開始の基準,訓練適応について考察する.
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