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特集 中高年脳性麻痺者の問題点
中高年脳性麻痺者の地域・在宅ケアと問題点
Problems of the Cerebral Palsied in Middle and Old Age: Problems in Community and Domicillary Care of the Middle-aged and Elderly Cerebral Palsied
山本 和儀
1
Kazuyoshi YAMAMOTO
1
1大東市福祉保健部保健医療福祉センター
1Community-Based Rehabilitation Division, Health and Social Welfare Center, Department of Health and Social Welfare, Daito City.
pp.683-688
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103604
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Ⅰ.初めに
ここ数年,在宅障害者や高齢者(脳卒中,痴呆など)を対象にした地域に関する報告を目にする機会がよくある.これは医療などの進歩によって平均寿命が延び,それに伴い高齢化が進んできたということと,ノーマライゼーションの普及,および家族体系(核家族化)の変化による介護力の低下など,社会的問題が表面化してきているからではないかと思われる.これらのことを考え併せると,今後ますます在宅(地域)におけるケア(Care)の充実を図ることがたいせつになると考えられる.いずれにしても在宅(地域)において重要なことは保健・医療・福祉がそれぞれの分野をオーバーラップして連携をとっていくことがたいせつで,これをつねに念頭においておかなければならない.
一般的に地域において中高年に限らず,脳性麻痺者の生活を支えていくための必要な条件として,
(1)機能を維持するための機能訓練および健康管理体制の整備
(2)介護支援体制の整備
(3)住環境を含めた周辺環境の整備
(4)デイサービスなどの社会資源の整備
(5)ADLを含めQOLをいかに豊かにするかなどが挙げられる.これらの条件をふまえた上で,以下,当市におけるケアの不要な人も含めた中高年脳性麻痺者の,地域における実態と問題点および今後の課題についてケースも含めて述べてみたいと思う.
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