特集 中高年の婦人科
Topics
中高年婦人の性生活
堀口 文
1
Fumi Horiguchi
1
1獨協医科大学産科婦人科教室
pp.401-404
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900099
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中高年婦人の性生活は生殖を伴わない性交である。現在の女性は子供を沢山産まなくなったので,平均30歳で第2子を産みあげ,その後は長い避妊の期間に入る。したがって中年婦人は更年期前期まで避妊が必要となり,また性器の萎縮が始まる更年期婦人では性交障害が起きやすい。これらを心理面からみると前者は避妊の失敗に対し後者は性交の失敗に対し精神的不安を伴いやすい。我が国における中高年婦人の性生活にたいする調査は極めて少ないが,欧米における最近の研究ではsexualityや女性の役割にたいする知識,態度および期待等に変化が起きており,更に避妊薬の発達,性病の種類や感染状況の変動,および婚咽関係における意識の変化などの生物学的,社会的因子の影響により性行動も変化しているので,日常一般の性生活についても産婦人科医が注目しなければならない課題である。
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