Japanese
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特集Ⅱ 骨粗鬆症をめぐって
脳卒中患者の廃用性骨萎縮と理学療法
Osteoporosis: Disuse Atrophy of the Bone in Stroke Patient and it's Physical Therapy
佐藤 秀一
1
,
佐藤 礼人
1
,
岡本 五十雄
2
Shuiti SATO
1
,
Reito SATO
1
,
Isoo OKAMOTO
2
1勤医協札幌丘珠病院理学療法室
2勤医協札幌丘珠病院リハビリテーション科
1Department of Physical Therapy, Kin-ikyo Sapporo Okadama Hospital.
2Department of Rehabilitation Medicine, Kin-ikyo Sapporo Okadama Hospital.
pp.310-315
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103506
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Ⅰ.初めに
老人性骨粗鬆症および閉経後骨粗鬆症は,骨の生理的加齢現象を基盤に,遺伝的,体質的な要因,閉経,いろいろなホルモンの代謝異常,栄養の問題や生活様式の問題など多元的な要因が加わって発症することから,退行期骨粗鬆症1)とも呼ばれている.これは主として骨量の減少が原因で骨折や腰背部痛を引き起こし,容易に臥床状態となるため,痴呆とともに老人にとって重大な疾患の一つである.
高齢化社会において増加する脳卒中患者においては,この退行期骨粗鬆症に加えて,種々の機能障害や能力障害等の運動阻害因子によって生じる廃用症候群である不動性骨粗鬆症が問題となる.したがって,理学療法を施行する上で,脳卒中患者における廃用性骨萎縮の予防あるいは改善という視点に立って,複雑多様な障害構造と廃用性骨萎縮との関連を分析することは重要である.
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