紹介
情意領域における理学療法教育の試み―映画と文学作品を教材にした授業の展開
沖田 一彦
1
,
宮本 省三
1
,
板場 英行
1
,
阿部 敏彦
1
1高知医療学院
pp.339-343
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103020
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Ⅰ.初めに
今日の教育の目標は,Bloomの分類学(taxonomy of educational objectives)1)による三領域,すなわち認知領域(cognitive domain),精神運動領域(psychomotor domain),情意領域(affective domain)において論じられることが多く,この考えかたは医学教育にも積極的に取り入れられてきている2,3).しかし特に情意領域については,その概念の抽象性ゆえに教育目標の明確化や教育実践がきわめて困難な分野とされてきた4,5).したがって,理学療法教育においてもその重要性は十分認識されているものの6),教育学的観点からの具体的な検討はほとんど加えられていないのが現状である.
そこでわれわれは,この情意領域における教育の試みとして,心身障害者を描いた映画と文学作品とを教材にした授業を実施してきた7,8).今回はその実際を紹介するとともに,理学療法基礎教育における意義と問題点,および展望について考察を加えたい.
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