映画
暖簾—宝塚映画作品
外輪 哲也
1
1ぐるーぷ・まさぐらん
pp.48-49
発行日 1958年5月1日
Published Date 1958/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201473
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<解説>文壇に才女として頭角を現わした山崎豊子の「暖簾」の同名映画化.脚本を昨年度キネマ旬報脚本賞を獲得した「爆音と大地」「夫婦善哉」などの八住利雄と川島雄三が協同執筆「愛のお荷物」「我が町」「幕末太陽伝」の川島雄三が演出にあたつている.キヤストに森繁久弥(二役)山田五十鈴(昨年度キネマ旬報演技賞)音羽信子,浪花千栄子といずれも一回や二回は演技賞をとつたベテランが顔を並べ,中村鴈治郎,中村メイコ,山茶花究,環三千世などが助演している.製作は「猫と庄造」など多くの文芸大作を手がけ「文芸プロデユサー」の異名をとる滝村和男.白黒ワイド.配給東宝.なお,この「暖簾」は昨年の五月と八月に菊田一夫脚色・演出森繁久弥主演で東京芸術座と大阪コマ劇場で劇化上演されている
<物語>時は明治,15才でたつた35銭を握つて淡路島から大阪に飛び出して来た八田吾平(森繁)は,昆布屋の主人浪花屋利兵衞(中村鴈治郎)に捨われ,丁稚として大阪商人の土性骨とド根性を徹底的にたたきこまれ,25才の時,浪花屋の暖簾を分けてもらう.大阪商人にとつては「暖簾こそ商人の生命」であり「何事も堪忍する」という厳しい鉄則のある世界である.だが,この分家の条件には,利兵衞の姪お千代(山田)の添物がくつついている.
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