あんてな
診療報酬改定について
吉尾 雅春
1,2
1(社)日本理学療法士協会
2協和会病院
pp.338
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103019
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1.概要
1990年4月1日より診療報酬が改定された.引き上げ率は平均3.7%(医科4.04%)で,薬価基準の引き上げ(医療費ベース2.7%)を差し引いた実質の引き上げ率は1.0%(医科1.01%)であった.
今回は診察,指導,処方,看護,早期リハビリテーションなどの技術料を重視しながら,医療機関の機能・特質に応じた評価,入院の適正化,検査の適正化,施設基準の強化,寝たきり老人ゼロ作戦および在宅医療の推進,老人医療の見直しなどに重きを置いた改定となった.労働時間短縮の社会的動向などから看護料の引き上げがなされたことは興味深いところである.また,病院-診療所間の連携を強化しようとしていること,入院時医学管理料が見直されたこと,看護・介護力の強化に対する評価がなされたこと,早期理学療法・作業療法料の評価がなされ,6か月内・超という期間区分を新設することによって長期にわたる治療と一線を引いたこと,在宅医療およびデイ・ケア料が大幅に引き上げられたことなどから,近々予定されている医療法の改正に基づく高次機能病院と長期療養施設の体系付けに呼応した改定と受け取ることができる.
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