Japanese
English
特集 拘縮
人工膝関節置換術における理学療法の役目と関節可動域に対する影響
Contracture: The Role of Physical Therapy in Total Knee Replacement and its Effects on Range of Motion
藤原 弘
1
,
管野 勝之
1
,
中田 隆文
1
,
駒ケ嶺 正隆
2
Hiroshi FUJIWARA
1
,
Katsuyuki KANNO
1
,
Takafumi NAKATA
1
,
Masataka KOMAGAMINE
2
1盛岡友愛病院
2盛岡友愛病院整形外科
1Department of Physical Therapy, Morioka Yuuai Hospital.
2Department of Orthopedic Surgery, Morioka Yuuai Hospital.
pp.237-242
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102750
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.初めに
われわれ日本人の生活様式において,畳上動作,トイレ使用時では膝関節のより大きな屈曲を必要とすることが多い.また膝関節は歩行においても重心の上下動を少なくするため,遊脚初期で重要な役割を果たしている.ゆえに膝関節の機能障害が日本人の日常生活動作(以下,ADL)に,与える影響はきわめて大きいと言える.
当院では慢性関節リウマチ(以下,RA),変形性膝関節症(以下,OA)により,高度に障害された膝関節に対し,機能の再建を目的として,人工膝関節置換術(以下,TKR)を施行している.使用した人工膝関節はYoshino-Shoji Ⅱ型(以下,Y/S Ⅱ型)である.それにより患者は,膝関節のより良好な支持性と可動性とを再び獲得し疼痛も軽減され,退院後には以前と同じような暮らしが可能になる.しかし手術によりいかに良い膝関節機能が再建されても,術前,術後の理学療法が正しく行なわなければ良い成績は得られなく,患者の満足度も低い.そこでわれわれは,術後の理学療法の重要性を患者に理解させ,指導することを心がけている.
本稿では,これまでにTKR後の具体的な理学療法に関しての報告が少ないことから,当院で現在施行している理学療法に関して述べるとともにそれに伴う問題点について述べてみたい.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.